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情熱と冷静の間にある、Apple Watch Ultra

Apple Watch Ultraは有用か

2022年9月7日、このニュースに驚きませんでしたか?
ダイブコンピュータとして使える、Apple Watch Ultraが登場。
Appleのダイブコンピュータ?! なんかすごそう。でもこれは本当に私たちのダイビングに役立つ?? 
Apple Watch Ultraがダイバーにとって一体どういうものなのか、見つめてみました。

Apple Watch Ultraをダイブコンピュータだと勘違いしていませんか?
実は Apple Watch Ultraそのものだけでは、ダイブコンピュータとして使えません。
ダイビングでApple Watch Ultraを使用するためには「Oceanic+」というアプリをインストールしなければならないのです。

Apple Watch Ultraのダイブコンピュータ機能とは、このOceanic+アプリによるものです。
「Oceanic+」はアメリカの老舗ダイブコンピュータOEM(他社ブランドの製品製造)メーカーであるOceanicが開発し特許を得たアプリ。これをインストールしてはじめてApple Watch はダイブコンピュータ機能をもちます。
つまりApple Watch Ultraは、ただ水中でも使えるプレッシャーセンサーが付いたスマートウオッチというだけなのです。

そしてApple Watch Ultraをダイブコンピュータとして使い続けるためには、このOceanic+アプリを利用し続けなければなりません。それにはOceanic + のサブスクリプション費用として年間1万円ほどがかかります。だからダイバーたちはApple Watch Ultraの本体費用に加え、ランニングコストも支払わなければならないのです。

Oceanic+アプリをインストールすることでApple Watch Ultraはダイブコンピュータの機能をもつ
Apple Watch Ultra

そんなApple Watch Ultraで、一体どこまで潜れるのでしょう。

利用できるのは水深40mまで。スキューバダイビングではレクリエーションとして潜ることのできるギリギリの深さで、水深40mを越えるとそれ以上潜水できないと警告されます。耐久性の限界から無限圧潜水時間を正しく計測できなくなる可能性があり、ダイバーの命にリスクをもたらしてしまうからです。また40mより深く潜ることの多いフリーダイバーにとっても、その使用は限定的となってしまいます。

Oceanic +とApple Watch Ultraのデバイスの限界は水深40mまで
「デバイスの最大許容水深(40m)を超えるとセンサーの正確性が失われる場合があり、NDLが表示されない可能性があります。安全のためにダイビングを終了し、バックアップコンピューターへの切り替えを余儀なくされる場合があります 」:Oceanic webサイト

なぜ水深40mまでしか潜れないのでしょう。
その理由はApple Watch Ultraが水の入らない「防水」ではなく「耐水」だから。
製品概要には小さく、その耐水性は水深100mまでではあるものの永続的ではなく、時間とともに低下する可能性があることが記されています。それに対してケアやオーバーホールは? という不安が湧いてきます。ですが対応は他のApple製品と全く同様で、バッテリー交換と修理だけのようです。ダイブコンピュータは、海の中という過酷な状況で使用するものなのに…。

Apple Watchをダイブコンピュータとしても使えるなんて。それはとても大きな驚きでした。
ですが私たちはこれを冷静に見る必要があります。大きなニュースに心を奪われるのではなく、それがあなたのダイビングでずっと長く安心して使い続けられるものなのかどうか、あなたにとって本当に有益をもたらすものなのかどうか、見つめてみましょう。さてApple Watch Ultraはこれから、あなたの新しいバディになれるでしょうか。

Apple Watch Ultraダイブコンピュータとして有用か
Apple Watch Ultraはアプリでダイブコンピュータ機能を追加し、サブスクリプションで利用する
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