今、日本のダイビングに変化のうねりが起きている。
以前にも増して聞くようになった言葉、「リブリーザー」。
去る9月27日には名古屋のダイビングショップ evis で、国内初導入となるKISS社のリブリーザー 「サイドワインダー」の講習が2週間に亘り実施された。
なぜ今、「リブリーザー」なのか。
KISS社のリブリーザー「サイドワインダー」。その名を初めて耳にするダイバーも多いだろう。
それもそのはず、主にテクニカルダイビングで用いられるリブリーザーを使用するダイバー自体、国内に決して多くはない。中でもKISS社のリブリーザーを使用するダイバーはまだほとんどいない。
このKISS社リブリーザー「サイドワインダー」は、シリンダーを背中ではなく両脇に付けるサイドマウントスタイルのクローズド・サーキット・リブリーザー(CCR:呼気を排気せず、二酸化炭素を取り除き、必要な酸素を補充してガス成分を調整し再び呼吸用ガスとして使用する循環式呼吸装置)。
今回、KISS社からトレーナーを招いてCCRダイバーコース、CCRクロスオーバーコース講習を実施し、自らも国内初「サイドワインダー」インストラクターとして認定を受けたのが、ダイビング教育機関 SDI/TDI /ERDI JAPAN 代表で evis オーナーの加藤大典氏だ。
講習はevisでの座学とプール実習、伊豆での海洋実習のカリキュラムで行われ、加藤氏と共に石井隆氏(TDCJ テクニカルダイビングセンタージャパン 代表、TDIインストラクター)がインストラクターとして認定されたほか、2名がCCRダイバーとして認められた。
KISS「サイドワインダー」をはじめリブリーザーの普及に力を注ぐ加藤氏は 次のように話す。
「リブリーザーを使用してダイビングをするダイバーは少しずつ増えています。それはテクニカルダイビングを専門にしているダイバーだけではないんです。むしろレクリエーションダイビングを楽しんできたダイバーのリブリーザー使用が増えている。リブリーザーによって多様なアクテビティや新たな挑戦が可能になることで、レクリエーションダイビングの幅が今、少しずつ広がってきていると感じています」。
国内ではCCRにPOSEIDON社「Mk6」「SE7EN」、SCR(セミクローズドリブリーザー)には昨年発売されたばかりのMares社「 HORIZON」など、レクリエーションダイビングにも採用されるリブリーザーが登場している。
そこに新たに加わる、このKISS社「サイドワインダー」。
加藤氏はそのメリットを「サイドマウントで左右のバランスが良いだけでなく、この左右2本が希釈ガスであるためバックアップ性も高い」と言う。
サイドマウントを習得したダイバー向けではあるものの、リブリーザーダイビングの選択肢がまた新たに一つ増える。ダイバーは、自分の好みや希望のスタイルに合わせたリブリーザーを選べるようになるのだ。
多くのダイバーが「テクニカルダイビングのもの」と思ってきたであろうリブリーザー。だが今、以前よりも使用できる器材が増えてより身近なものになりつつあり、その概念が少しずつ破られ始めている。
リブリーザーダイビングの波はレクリエーションダイバーたちに、既存の限界を超えた全く新しい自由で多様なダイビングを発見させるのかもしれない。
愛知県名古屋市名東区牧の原3-1203-2
TEL:052-602-7723
https://www.dive-evis.com/